住宅を買うにあたって検討すべきことがらは数多くあるわけですが、今回は価格と価格下落のリスクについて記します。
日本の住宅価格は、今、過渡期・変動期にあるといえます。
長期的に見れば、人口減少・空き家増加で、住宅価格が下落傾向をたどることは、ほぼまちがいありません。
しかし、今、住宅を求めているお客様にとって、将来のことはあまり関係がないのかもしれませんが、一つの参考意見として読んでください。
新築にするか、中古にするか、迷っているお客さまに役立つことに絞って価格のことを記します。
中古住宅のメリットとして第一にいえることは、価格がリーズナブルだということです。新築住宅は誰かが住居として使い始めたその時に10%ぐらい価格が下がるといわれます。
新築でない=中古住宅というだけで、同じ物件なのに10%も価格が下がるわけです。
築後25年~30年で建物評価額は新築時の20%程となってしまうのが、わが国の中古住宅市場の現状です。
資材や設備の質も年々向上しているので、この現状は大いに問題があるのですが、市場の実態としてはその通りです。
この点を別の角度から見れば、中古物件は価格も安いし、その後年数が経っても価格はあまり下がらないということです。
これは、実は大きなメリットです。築後15年の住宅を買って、メンテナンスをしっかりやっていれば、30年~40年は充分に使えます。
今、不動産鑑定士の世界でも、中古住宅の評価の手法や考え方も大きく変わりつつあります。
築後30年の木造住宅をほぼゼロと評価するのはあまりにも乱暴な「理論」であり、実態とかけ離れているという「正論」押されてのことです。
おそらく、10年後には、今、築10年の住宅価格が、築20年になっても、評価額がそれほど下がらないという現象が起きているかもしれません。
このコラムでも、これから3~4回に分けて、中古住宅購入のメリットやデメリット、業界の取りくみについて取り上げてゆきます。
ご期待下さい。