ネット不動産フロンティアノート



ネット不動産とは・・ No.7-2

ネット不動産フロンティアノートも34回まで進みました。ここで、改めてネット不動産の特徴、現在の到達点を確認することにします。

ネット不動産の特徴、できること、やるべきこととしては以下の点をあげることができます。

○ ホームページを通じ、お客さまへの物件情報の提供を続けると同時に、物件情報をデータベース化すること。
○ 物件情報の質と量、鮮度と探し易さでお客さまからこの会社は外せないという評価をいただくこと。つまり、お客さまにホームページのリピーターになってもらうこと。

○ 繰り返しホームページを訪れてもらうことで、信頼できる会社だ、信頼できるスタッフだという評価をいただくこと。
○ その結果として、お客さまが求めている物件についての概要を「希望条件登録」として会社側に公開・伝達していただくこと。
○ この登録情報をもとに、お客さまが探している物件について、時期、種別、地域、地区、学区、予算、面積、優先順位などをデータベース化すること。

○ お客さまの情報のデータベースと物件情報のデータベースのマッチングシステムを構築すること。
○ 新規物件が出た時、新規の希望条件登録があった時は、リアルタイムでこのマッチングシステムを使って、メールで物件情報を提供すること。この作業を反復・継続して実行すること。この「メール営業」といわれる営業スタイルを貫くこと。

○ この作業と並行して、ブログ・コラム等による経営トップや営業マンの仕事ぶり、考え方の「情報発信」を続けること。
○ お客さまは、一生一度の高額な買い物に際して、物件探しと同時に、信頼できる会社探しもしているということを理解すること。
○ 物件情報は、その物件についての情報だけでなく、周辺環境も含めた「近隣情報」についても発信することも重要だと認識し実行すること。

ここまでが、ホームページ・ネット店舗・バーチャル店舗の役割です。

現地を見たい、内部も見たい、詳しい話を聞きたい物件が何件か見つかった。会社も「恐い」会社ではなさそうだ。この段階まで進んで初めて、お客さまは会社を訪ねてみようかという気になるのです。

ここからは、本来の店舗,実店舗・リアル店舗の出番です。

ネット不動産と従来型の不動産仲介業は、この店舗接客・店頭応接が根本的に違うのではないでしょうか。なぜならば、多額の広告費・チラシ配布費をかけて集客・営業を行っている旧いタイプの仲介業者は、目の前のお客さまを逃したくないという気持ちがどうしても前面に出て、結果として「しつこい」追客営業になりがちだからです。

その気持ちは分からなくはありませんが、自分の成績、会社の売上のために「全力でがんばる」という気持ちは、お客さまにはストレートに伝わるものなのです。

「お客さま本位」、「お客さま第一」などとチラシや看板でいくら強調しても、顔には会社のための「営業トーク」と書いてあることがお客さまにはちゃんと見えるのではないでしょうか。

ネット不動産の店舗・実店舗に来店されるお客さまは、従来型のお客さま、いわば旧い営業スタイルの道に沿って来店するお客さまと、二つの面で大きく違います。

一つは、お客さまは、実は会社も店舗も何回も訪れ、営業マンのことも、物件のこともかなり詳しく分かっていて来店されているということです。もちろん、ネットを通して、ホームページを通しての「バーチャル体験」としてです。

「バーチャル体験」も何回も繰り返すことで、あたかも「実体験」したかのような「錯覚」を起こさせる作用があるのでしょうか。初めて来店されたお客さまと、会ってすぐに握手をした経験が何度かあります。

最大の違いは、お客さまに対する会社の姿勢です。

ネット不動産は多額の広告費を使ったりしません。せいぜい、スタート時に「キーワード広告」を利用する程度です。目標とするキーワードでの検索エンジンの上位表示が「広告」の役目を十分に果たしてくれるからです。

広告費に多額の費用をかけなくとも、多くのお客さまとはメールや電話でのやりとりで相互理解がかなり進めることができます。この相互理解があってこそ、心からのお客さま本位の経営姿勢が貫けるのだということを体験的に知ることができました。

初めての来店であっても、お互いに旧知の間柄のような気持ちで会えるのです。だからこそ、「身内のつもりでお世話をします」と胸を張って云えるのです。

世の中のIT化、ネット化、情報化が進むことで、マーケットはどう変わるのでしょうか?

一言でいえば、生産者本位、供給者本位のプロダクト・アウトのマーケットから、消費者本位、需要者本位のマーケット・インの世界に市場が根本から転換しつつあるということです。

ネット社会の今、マーケットは買い手市場に根本から変わりました。これには二重の意味が込められています。

一つは需給関係・価格をめぐる力関係で「買い手市場」に変わったという意味です。二つ目は、情報関係・情報をめぐる力関係でも買い手主導・買い手市場となったという意味です。

これを不動産仲介業に即していえば、情報格差と知識・経験格差を「活用」した旧い営業スタイルから、ITとインターネットをフルに利用した透明性のある仲介サービス業、専門性の高い知識と経験を生かした情報サービス業に転換することを「市場が求めている」ということです。

21世紀に生き残れる不動産仲介業の必要条件、いい換えれば、ネット不動産の存立基盤はここにあると断言できます。

ネット不動産を別な見方、冷めた目で見なおしてみます。

実はネット不動産には「革新的」なことは何一つないともいえます。物件情報という「商品」を効率的に収集し、陳列し、お客さまが24時間いつでも来店して商品を見比べる体制を作っただけなのです。

広告費に多額の費用をかける必要はなくなりましたが、このネット店舗・ホームページを運用するコストは決して安いものではありません。不動産という高額商品を扱うからこそ、ネット不動産はビジネスとして成り立つともいえます。

あらゆるサービス業でいえることですが、「サービスの質・スピードの向上」と「低コストでのサービスの提供」とはトレードオフ、つまり二律背反の関係にあります。ITとインターネットの全面活用が、このトレードオフの関係を大幅に改善したことは事実です。しかし、扱う商品が不動産という高額商品だからこそ、ネット不動産は存立できるとも言えるのです。

21世紀は、「企業の社会的責任」CSR(Corporate Social Responsibility)が強く求められる時代です。

従来、不動産業、とりわけ不動産仲介業者にCSRを求めることは、八百屋に魚を買いに行くようなものだと思われていました。今でも、大部分のお客さまはそう思っているのではないでしょうか。

ところが、ネット不動産というビジネスモデルを採用することで、お客さまとの信頼関係というビジネスの基本に立った経営が可能になったのです。

「可能になった」という表現は正確ではありません。お客さまの立場に立ち、お客さまとの信頼関係をベースに仕事をしなければ、その会社は生き残れないというのが「近未来の現実」であり、実現する以外に道はないというのが正確な表現だからです。

今までは、「無いものねだり」に近かったCSR「企業の社会的責任」ということを不動産仲介業者にも胸を張って主張し、実行できる条件ができたのです。

企業の主体的・自発的意志としてCSRを実践する企業の周りには、自然に多くの消費者の信頼と共感が集まり、いわば「目に見えない資本」・「信頼資本」が集まるものだといわれます。

こうした企業だけが、厳しい時代にも生き残れる、厳しいマーケット環境でも活躍する時代が始まっているのです。

競争がはげしく、変化もはげしい不動産業界にあって、最も強いものや賢いものが生き残るのではありません。ましてや、最も大きいものや資金力のあるもの、業歴が長く、ノウハウを持っている企業が生き残るわけでもありません。

生き残りの条件はただ一つ、最も変化に適応することだけです。

では、「最も変化に適応する」ためには何をすればよいのでしょうか?

一つには、変化の方向とその先を予測し、考えぬき、仮説を立て、実行してみることです。

二つには、起業・創業の原点に立ち返り、自社の使命・ミッションは何であったのかを再度確かめることです。

不動産流通業・仲介業の原点は、「快適な住宅・環境に住みたい」というお客さまの要望・ニーズにいかに応えていくかにあったはずです。

ただ、金を儲けるだけの仕事や会社ではない。お客さまに本当に喜んでもらえる仕事、お客さまの役に立ち、しかも地域や世の中にも役に立っていると胸を張って言える仕事をすることにあったはずです。

仲介業者とお客さまの距離感をいかにして縮め、どうすれば顧客密着型の事業モデルを構築できるかが、今、求められているのです。

これは、インターネットをビジネスに活用するネットビジネス全般に求められていることでもあります。

不動産仲介業とインターネットは非常に相性の良いものです。この相性の良さを最大限に生かして、ネット不動産がインターネットビジネスの先陣を切り拓き、先頭を走る文字通りフロントランナーとなる予感がするのは私だけでしょうか。 



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