ネット不動産フロンティアノート



不動産マーケットの特徴・・ No.6-4

2010年の現在、インターネット利用者の人口普及率は70%を超えました。世帯単位でみると95%程度の普及率です。

使い勝手が良いと前評判のiPadが発売されると、普及率だけでなく、利用率・利用度もさらに高まり、ケータイ並みになる日も遠くないのかも知れません。

インターネット利用者の全体像としては、以下の4点がその特徴といえます。

1. 情報収集が主目的

インターネット利用者は、ネットを「情報収集」のために利用します。ネット利用者の最大の目的は「情報収集」ですから、情報の質・量・鮮度の劣るホームページや「看板」レベルのホームページは相手にされません。

2. ネット利用者はせっかち

ネット利用者の特性として、非常に「せっかち」だということが指摘できます。ネット利用者は、情報を探しに多くのホームページを見て回るわけですが、そのホームページに自分の探している情報がないと、すぐに次のホームページへ移動してしまいます。

非常に「せっかち」ですから、目の前のホームページをパッと見て、そこに自分の欲しい情報が見あたらないと感じる(じっくり見れば見つかるのかもしれませんが)と、すぐに立ち去ってしまうのがネット利用者の特徴です。

3. 画像や動画はあまり好まれないとされています

一般論としては、ネット利用者は「画像」や「動画」をそれほど喜んで見るわけではないとされています。しかし、絵や写真で視覚的に訴えた方がユーザーに喜ばれ、利便性が増すのではないかという考え方も一方では有力です。

ファースト・タッチ、初回に訪れるユーザーにとっては、画像や動画を多くすると、表示に時間がかかり、画面が重くなるので好まれないことは確かです。

繰り返してホームページを見ているリピーター、ヘビーユーザーにとっては、表示に少々時間がかかっても、内容の濃い、質の高い画像や動画は魅力的なのはまちがいありません。

物件情報を伝えることが主目的のネット不動産のホームページの場合は、写真、画像が必要不可欠なことは言うまでもないことです。

不動産仲介業者のホームページに「動画」を導入することについては、「先進的実験」という意味では意義のあることでしょう。しかし、利用者、お客さまの通信容量・伝達環境を考えた時、今、力を入れるべき分野なのかは疑問が残ります。

4. 文字を読むのが大好き

ネット利用者は「文字を読むのが大好き」です。ホームページを訪れる主目的が情報入手なわけですから、商品情報、価格情報、企業情報、ブログ等々、文字情報が主体であることに違和感を持っていないとされています。

問題なのは、ホームページの運営主体、発信者側の文字情報発信力、文章表現力ではないでしょうか。自分の思いや考えを文章化し、相手にわかりやすく伝えるという能力は、実はかなりの経験や努力を必要とするものなのです。

その能力を鍛えるためにも、日頃からコラムやブログを書き続け、資料を収集・整理し、思いや考えを文章で表現する力を向上させることが求められているのではないでしょうか。

次に、住宅購入や部屋探しのためにネットを利用するお客さまの特徴を考えてみましょう。

新築マンション・戸建ての購入を検討し始めたお客さまを前提としてモデル化してみます。

インターネットが普及する前までは、住宅購入を考え始めたお客さまの行動は、まずはモデルルーム・モデルハウスの見学から始まるものでした。

自分の希望条件に合う物件であるかどうかを確認するために、とりあえずは現地に足を運ぶ。その道すがら、周辺環境を確認し、モデルルームやモデルハウスを見て、イメージのすり合わせをしたわけです。現地で入手したパンフレットをよく見て、間取りや予算、詳細のチェックをする。つまり、「現地見学→検討」という図式だったわけです。

ところが、ネット時代のお客さまは、そんな行動はとりません。

自宅なり、職場なりのパソコン(近々、iPadに変わるのでは?)上の検索エンジンに○○市・不動産、○○駅・マンションなどと入力し、上位5社程度のホームページを見比べます。

各社のホームページを訪ねることで、現地に足を運ばなくても、ホームページというバーチャル店舗でかなりの詳細情報が入手できるようになったのです。

住宅展示場や新築マンションのモデルルームを訪ね、住所・氏名・電話番号に職業欄まで記入して、「恐ろしい?」営業マンの説明を聞かなければ、良質な情報が入手できない時代は終わったのです。

各社のホームページを訪ねることで、物件の良し悪しだけでなく、各社の営業姿勢や営業マンのイメージも事前に判断することが可能になったのです。つまり、ネット上での「検討→現地見学」という図式に変わったのです。

マーケット分析の初歩は、商品を「最寄り品」、つまりスーパーやコンビニで扱う商品と、「買い回り品」、商品分類でいえばファッション性の強い衣服や家具などに分類することだとされています。

住宅という商品は高額かつ購買頻度が極端に少ない「買い回り品」の最たるものです。

お客さまは、インターネットを利用して、納得できる物件が見つかるまで、半年、1年、場合によっては2年ぐらいかけて、ネット店舗・ホームページを「見て回る」、「買い回る」のはあたり前のことなのです。

そのお客さまの気持ちや立場が理解できなくて、ネット客は気まぐれだ、移り気であてにならない、本気で探している人は極端に少ない、大部分が成約にならない、情報は集めたがるが自分の情報は出さない……などと嘆いても始まりません。

お客さまの立場でなく、自社都合、自社の目先の利益からネット時代のお客さまを見るからそんな風に見えるのでしょう。

ネット時代か否かにかかわらず、不動産マーケットに限らず、市場・購買行動の主導権・決定権を握っているのはお客さまだけなのです。

賃貸と売買で若干の違いはありますが、ネット時代のお客さまの行動分析、心理分析をすると以下の特色が見えています。

● 情報に非常に敏感である。つまり情報の量・質・鮮度を重視します。

● 20代、30代の若者のあいだで新聞を読まない、定期購読しない層が増加しています。つまり新聞離れが進んでいるということです。

● 時間の有効利用に敏感である。情報と時間という関係でいえば、費やす時間あたりの情報量が少ないホームページは二度と見てもらえません。

● 自分の価値観・感性に合うものだけに関心を持つ。つまり、自意識も強く、「カッコつけ」にもこだわります。

● 未知・未経験なことへの不安感を強く持ち、納得のできる「助言」や「情報」を求める傾向が強いとされています。

このような行動特性、心理特性を持ったネット時代のお客さまは、気に入った物件、あるいは気になるホームページを見つけた場合、どんな行動をとるのでしょうか。

それは、メールで問い合わせをすることです。

お客さまが、不動産会社へ問い合わせをする方法は、賃貸で70%、売買で80%がメールでの問い合わせです。電話による問い合わせも賃貸で60%、売買で50%程度です。しかも、平均して「2.9社」に問い合わせをします。

お客さまがメールで問い合わせをする理由は二つあります。

第一の理由は、お客さまが仲介業者に根強い不信感を持っていることです。不信感を持ちつつも、問い合わせをしなければ詳しい物件情報は入手できないし、具体的に交渉を進めることはできません。

気は進まないが、やむなく不動産会社に問い合わせをするといった心理が強く働いていると考えるのが自然です。

そんな心理状態にあるお客さまは、電話で問い合わせをするよりはメール、メールで問い合わせをする前にもっとよく各社のホームページを見比べて、問い合わせをしなくても地番やマンション名が分かる手がかりを求める行動をします。

物件を特定できるような写真を多く載せているホームページ、土地の場合、地番まで載せているホームページはアクセス数も多く、リピーターも多いことは実証済です。

つまり、探し始めたばかりのお客さまは、不動産会社や営業マンとは積極的にはかかわりたくないという気持ちが強いのです。メールなら顔を合わせる必要もないし、住所も電話番号も、場合によっては氏名も明かさなくても問い合わせは可能です。

メールで問い合わせをする二番目の理由としては、ビジネスの世界ではメールでのやり取りが普通になっており、電話はよほど急ぐ時に使うものという傾向が強まっているからです。メールなら夜中でも送信できるわけですし、相手の都合を考える必要もありません。

ホームページとメールという「近代兵器」を最良・最大の武器として営業展開するネット不動産にとっては、メールは最良の通信手段・通信兵器です。メールによる問い合わせは大いに結構、住所や氏名など明かさなくともメールアドレスさえ教えてもらえば、当初はそれで十分という姿勢を貫くことが大切です。問い合わせのフォームも最小限のメールアドレスだけでOKという書式を使うことがポイントです。

なぜかといえば、メールアドレスさえ分かれば、お客さまに対し、新規物件情報をメールで送ることができるわけですし、ブログやコラムも送信できるからです。

メールでのやり取りを通して、お客さまとの信頼関係を一歩づつ深める道が開けることこそが、ネット不動産、メール営業の最大の利点だからです。

お客さまの購買行動、購買心理は以下の7段に分けて進行するとされています。AISCEAS(アイシーズ)理論です。

A:Attention … 注目される 
… ホームページを見てもらう

I:Interest … 興味、関心をもってもらう 
… 役に立つホームページだと思ってもらう

S:Search … 内部を検討してもらう 
… 物件情報や会社情報を見てもらう

C:Compare … 比較・検討してもらう 
… 他の物件、他社と比較・検討してもらう

E:Examination … 熟慮・検討してもらう 
… ちょっと待てよと熟慮してもらう

A:Action … 実行・行動開始 
… 会社の選定、現地確認の行動を起こしてもらう

S:Share … ネット上で評価を共有する 
… 良い結果を得たという情報・評価をネットやTwitterで発信してもらう

ネット時代のお客さまの変化は、店頭での応接・リアル店舗での接客対応にどんな変化をもたらすのでしょうか?

不動産は大人の買い物、一生一度の高額商品だとよく言われます。物件は気に入った、会社も営業マンも信頼できそうだ、しかし、お客さまはまだ「迷い」が残っているのが実際のところではないでしょうか。

決断力、資金調達力、社会的信用力、自己コントロール力、利害の対立する相手との交渉力、相場を見極める力、ライフプランの立案力、さまざまな要素がお客さまを悩ませ、迷わせます。

こんな時、仲介業者のあるべき姿、営業スタイルはどんなものなのでしょうか。

迷えるお客さまの背中を、少し押して差し上げるのも、求められているものの一つには違いありません。

しかし、迷いの理由、原因を一つひとつお客さまと一緒になって考え、迷いの元を解消する行為・行動こそが求められているのではないでしょうか。

当社が全社員に徹底していることは、「身内のつもりでお世話をします」という営業姿勢・経営姿勢を貫くことです。

あまりにも理想論すぎるでしょうか。



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