ネット不動産フロンティアノート



不動産仲介業の本質・特徴・・・ No.3-12

「仲介手数料半額」、「手数料無料」をトップページにデカデカと掲げるネット店舗・ホームページが目立つようになってきています。

なかには、「手数料半額」の最大のノウハウ(?)としたチェーン店展開を試みているソフト開発会社もあるようです。

ここで、改めて不動産仲介業における「仲介手数料」の位置づけ、根拠について掘り下げて考えてみます。

論点を分かりやすく、具体的にするために、小売業のディスカウント商法と対比しながら考えました。

ディスカウント・ストアー、ディスカウント商法はなぜ小売業界の勝者になったのでしょうか。
それは、

○売り場面積の大きさ
○顧客の日常生活に深くかかわる
○幅広い品揃え
○大量販売により価格を下げる

ことで勝者になったのです。

ウォルマートの創業者サム・ウォルトンは、より具体的に「小売業の成功の鉄則」として以下のことを見抜いていました。

○店舗経費を最低に抑える
○値入率を最低幅にし、ライバル店より20%以上安い価格の商品を増やす
○強調する商品を、一品大量に積み上げて陳列する

という、ディスカウント商法の神髄を見抜き、実行したのです。

不動産仲介業者が、ここから学び、採用できるのは、店舗経費の低減ということぐらいです。

地域限定の地場産業としての不動産仲介業に、小売業界のような大型総合店はありません。不動産に特化した専門店なのですから、大型化や総合化はなじまないのです。

チェーン店と系列店は力をつけてきています。賃貸仲介では、大手のチェーン店となりブランド力とノウハウを取得しようという動きは今後も強まることでしょう。

売買仲介では、大都市圏を中心に財閥系や信託銀行系、地方都市にハウスメーカーの系列店が根を張り、力を付けています

この動きに対して、主として新規参入の仲介業者が、売買仲介手数料のディスカウントという手法で差別化をはかり、「価格競争」をしかけているといったところでしょうか。

仲介手数料のディスカウントについては賛否両論があります。

肯定論の根拠としては、すでに大都市圏では始まっており、お客さまにとってのプラス、メリットがあるということです。
たしかに、物件価格が3,000万〜5,000万という価格帯であれば、手数料半額も十分可能だし、お客さまにとってのメリットも少なくありません。

しかし、これは手数料の料金体系が(最高限度額)が一律3%プラス6万円と決められていて、今までは、最高限度額の手数料が通用していたということに対する「反省」「反動」といえることで、地方の中小都市では通用しないと見ます。

たしかに、1億円の中古マンションを仲介して306万円、両手数料の場合、612万円の仲介手数料の根拠を合理的に説明することは困難です。
こんな場合は、手数料半額は、買い主、売り主双方にとってもメリットのある手法です。

大都市圏を中心に、高額物件の仲介手数料は「市場原理」、価格競争の結果として、合理的なレベルに落ち着くでしょう。仲介手数料体系の見なおしもあるかもしれません

「仲介料ゼロ」については、事情は大いに異なります。慈善事業やボランティアでさえ、「無料奉仕」は永く続きません。ましてや、不動産仲介業という立派な(?)営利事業にあって「手数料ゼロ」については、お客さまにきちんとした説明が必要です。

新築の建売住宅の仲介手数料が「ゼロ」であることをホームページで強調するならば、売り主側から仲介手数料をもらえるので、買い主のお客さまからは手数料をいただきません、と明示すべきです。

マーケットが買い手市場となっているため、新築住宅の売り主は仲介業者に手数料を払ってでも買い手を見つけたいのです。
もちろん、買い主が新築建売住宅の売り主と直接取引した場合も手数料はかかりません。

この場合、買い主は、仲介業者に払う(予定)の仲介手数料分を値引きしてもらうことを期待できるわけです。
ただし、価格交渉も含めて、売り主側に、買い主の利益や立場を守ってもらうことを期待するのは無理ということになりかねません。

こんな事情も含めて、ホームページ上できちんと説明し、お客さまから仲介手数料はいただきませんが、お客さまの立場・利益に徹して仕事をいたしますと明言し、お客さまに分かってもらった上での「手数料ゼロ」であれば、それは立派なビジネスモデルといえるでしょう。

次に、仲介手数料のディスカウント競争への否定的な見方についてです。

小売業の場合、店舗経費を低減し、一品目の売上量を多くし、安く仕入れることで、安く売ることを可能にできる店だけが、生き延びることができるのです。しかも、ウォルマートの場合、ライバル店より20%以上安い価格での商品提供が勝者の条件だったわけです。

不動産仲介業の場合、ライバル店より20%以上は安い価格で物件を提供することは決してできません。

手数料のディスカウントは、物件価格、お客さまが支払う金額のせいぜい1〜2%が限界です。サービス業のディスカウントには超えられない限界があるのです。

不動産仲介業のコストの内訳は、広告費、物件情報の収集・整理費、物件調査・現地案内・契約・引き渡しなどの取引サポート費用、それに店舗の家賃などが大半を占めます。

削減できるのは、ネット店舗化・ホームページ活用によるチラシ広告費の削減と、メール営業の徹底による営業経費の低減ぐらいです。

不動産仲介業はサービス業そのものです。しかも、専門知識を活用し、取引の安心・安全をサポートする大切な役割を担っているのです。

サービスの質を低下させないという大前提の下では、仲介手数料の値引きという手法には限界があります。

何度も強調しますが、サービス業の原点は、「顧客満足」を高めることなのです。十分な物件情報を提供し、納得するまでの物件選び、会社選びのお手伝いをし、安心・安全取引のサポートをすることが、不動産仲介業に求められていることなのではないでしょうか。

安易な「価格競争」で「価値競争」には勝てません。ネット店舗・ホームページでの物件情報提供競争に圧勝し、メール営業でお客さまの納得と信頼を獲得し、リアル店舗・実店舗で安心・安全取引のサポートをする、こんなネット不動産こそが、勝者の道ではないでしょうか。



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