ネット不動産フロンティアノート



不動産仲介業の本質・特徴・・・ No.3-7

お客さまに満足していただくことの大切さは、昔から商売の基本といわれています。世間一般では、商品やサービスを買っていただく方が「お客さま」です。ところが、不動産仲介業の世界では、物件物件の売却を依頼してくる人、物件の賃貸を依頼する人、つまり、売り主・貸し主も仲介業者にとっては、仲介手数料を払っていただけるという意味では大切なお客さまなのです

一つの取引・商売が成り立つためには売る側と買う側、貸す側と借りる側という二人のお客さまがいるということ。これが不動産仲介業の最大の特徴ではないでしょうか。この「特殊性」が業界の「不透明感」や「アンフェアー感」、「不信感」を生む原因の一つだと思いますが、そのことは別な機会に譲ります。

不動産仲介業にとって「顧客満足」とは、提供したサービスについてお客さまに満足してもらうことです。しかし、これは必要条件ですが、これで十分だとは言えません。

お客さまは、物件そのものの満足、満足できる物件の取得というサービスを仲介業者に求めているのです。

不動産仲介業者が提供するサービスは、お客さまの立場から4つに区分できます。

○買い主が仲介業者に求めるサービス
○借り主が求めるサービス
○売り主が求めるサービス
○貸し主が求めるサービス

の4区分です。

まず、買い主としてのお客さまが仲介業者に求めるサービス、仲介業者が提供できるサービスの内容とその満足感についてです。

物件購入に際してのお客さまの満足は、二つの満足を満たすことです。
一つは物件そのものの「満足感」です。
二つ目は物件購入のお手伝いをした仲介サービスへの満足感です。

この二つの満足感を満たすことが、不動産仲介業としての「顧客満足」の提供ということです。
お客さまが満足できる物件を取得できたということが大前提であり、それをサポートするのが不動産仲介業ということです。

仲介業者が、買う側のお客さまの為にできることは、実は限られているのです。不動産の売買に際して、最大の問題である価格について仲介業者は価格決定権を持ちません。
買い手市場・買い手主導となっているマーケットの事情を売り主側に説明し、お客さまの為に若干(?)の値引き交渉ができる程度です。

仲介業者としての主な仕事、提供できるサービスは以下のことです。

●質の良い、鮮度の高い物件情報をできるだけ早く、多く提供すること。
●物件の品質・性能チェック、物件選びのポイントなどについて、お客さまに助言したり、サポートすること。
●不安感・不信感を持ちながらも、仲介業者の力や情報・専門知識に依らざるを得ない、お客さまのジレンマを解消するためにも、徹底した安心・安全取引のサポートをすること。
●現地案内、ローン手続き、契約・代金決済・引き渡しまでの「不動産取引」の全般にわたり、「身内のつもりでお世話をする」と姿勢を貫き通して、お客さまとの末永い信頼関係を築くこと。

次に、借り主としてのお客さまが求めるサービス、仲介業者が提供できるサービスについてです。

●希望する地域内の賃貸物件について鮮度の良い、正確な物件情報を数多く提供すること。
●退去時に不愉快な思いや「敷金の返済実質ゼロ」とならないために、適正な契約書を作成すること。
●周辺環境や管理状態も含めた関連情報を提供すること。 ではないでしょうか。

三つ目は、売り主としてのお客さまが仲介業者に求めるものについてです。

●より早く、より高く売却すること。仲介業者の強い販売力が求められているのです。これは、多くの見込客(購入希望者)をデータベース化し、新規物件とのマッチングシステムを保有・活用している仲介業者、つまりネット不動産そのものが売り主から求められていると言っても過言ではありません。
●相場の実情・実態を知ること。これは、多くの物件情報をデータベース化し、成約実績もデータベース化している仲介業者=ネット不動産が一番得意な仕事です。
●実情によっては、仲介業者による買い取りも求められます。これは、業者の経営理念、スタンスに関わることですが、仲介業のワクから外れることであり、地価下落が長期化する見とおしの下では、リスクが大きすぎるし、その道の専門業者にまかせるべき分野ではないでしょうか。

四つ目は、貸し主としてのお客さまが仲介業者に求めるものについてです。

●空室を生じさせない集客力。これは、賃貸物件の空室率が地域によっては30%を超えている実情からすれば、大家さんにとっては大問題です。ここでもホームページをフル活用し、多くのお客さまにリアルタイムでの情報発信が得意なネット不動産の出番ということです。
●適正な賃料相場を知ること。空室率の増大が続くと予想される中で、地域の賃料相場を「先導」できるようなノウハウを提供できる仲介業者が求められています。シェアハウス化、外国人受入可、「高齢者歓迎」のノウハウが求められているのではないでしょうか。
●トラブル対応力の早さ、適切さ。アパートや賃貸マンションには、管理上のトラブルは付きものです。とくに、古くなった収益物件はトラブルの「宝庫」のようなものです。水廻りや電気関係を専門の業者に外注するだけではなく、プロパティマネジメント(収益管理)の能力が求められます。この分野はネット不動産として得意な分野とはいえないので、得意な分野である集客に集中するのが、今の段階での上策といえます。

以上、4つのタイプのお客さまが、仲介業者に求めているものとその対応について述べましたが、いずれの場合も、「身内のつもりでお世話をする」という姿勢が顧客満足の基本ではないでしょうか。

それでも問題は残ります。仲介業者の自助努力、自己努力だけでは解決できない問題があるからです。

それは、売買仲介、賃貸仲介いずれの場合でも、価格・賃料という当事者にとっての最大の問題を、選択し、決定する権限が仲介業者にはないという現実です。しかし、これは仲介業というビジネスの限界なのであり、宿命として受け入れる以外なさそうです。

「顧客満足」について調べるため、顧客満足のあり方を解説した本を5冊程読みました。多くの業界やサービス、企業の「顧客満足」が紹介されていましたが、残念ながら不動産業界については、紹介事例は全くありませんでした。若干の憶測を混じえて言えば、不動産業界、特に不動産仲介業は、売り主(所有者)や貸し主(大家)の側だけを向いていれば、仕事ができた時代が永く続いたせいではないでしょうか。

時代は根本から変わったのです。お金を払って買う、大切なお金を支払って借りるお客さまこそが本来のお客さまではないでしょうか。「顧客満足」の内容を充実させ、「発展」させる不動産仲介業を目標とするならば、まだまだ足りないことも多いことが分かります。全力をつくして努力するに値する仕事、業界であり、未知なこと、未開拓な分野が多く残されています。

正に、ネット不動産の出番であり、時代がネット不動産を求めているといっても、言い過ぎではないでしょう。



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