ネット不動産フロンティアノート



不動産仲介業の本質・特徴・・・ No.3-6

あらゆるビジネスには、ヒト、モノ、カネ、情報という経営資源が必要とされます。不動産仲介業の世界では、この4要素に加えて、安心・信頼・信用という要素が必要不可欠であり、一番大切な経営資源だと言えます。

その理由としては、お客さまにとって住宅は一生一度の高額な買い物だということです。さらに加えれば、世間一般、大部分のお客さまは、不動産業界、特に仲介業者に対し、強い不信感を持っているからです。お客さまと仲介業者の間にある、不安・不信という「深い溝」を、どうすれば埋めることができるかというノウハウこそが不動産仲介業にとっての最大の経営資源ではないでしょうか。

不動産業経営や不動産仲介業のあり方、成功する経営戦略について書かれた書籍は世の中に少なくありません。しかし、消費者の立場、お客さまの立場に立って経営戦略を論じたものはあまり見かけません。はっきり言えば、なかったのではないでしょうか。

業界の体質として、売り主、貸し主の方に向いていれば何とかなる。同業他社の動向に目を配り、同業他社との競争に勝つことが「競争」だと信じられてきたからでしょうか。

インターネットが普及し、消費者、お客さまは大きく変化しました。情報収集力という面では、仲介業者よりも力を付けてきたお客さまも少なくありません。

このお客さまの変化を受けて出現したのがネット不動産です。結論から言えば、ネット不動産としてのビジネスモデルが出現したことで、本当の意味でお客さま本位の「仲介営業」が可能になったといえます。

お客さまは、「個客さま」です。探している理由、時期、価格も違えば、地域、物件も違います。スーパーで買い物をする顧客とは全く違った側面、個客としての側面が強く出るのは当然です。

その「個客さま」の要望に応じ、満足する物件の取得のお手伝いをすることが仲介業者の本来の仕事だったはずであり、ネット不動産は、それを可能にしたのです。

時代は、ネット社会・消費者主権の時代です。この時代の「勝者の条件」は何でしょうか。

それは同業他社との競争に勝つことではありません。自社との競争、自分との競争に勝つことです。

今日の自社・自分より、明日の自社・自分が、どれだけ「前へ進めたか」。 どれだけ、お客さま・消費者の立場や気持ちの理解を深めることができたか。 どれだけ、お客さまの立場に立ち、身近な信頼される存在になれたか。 どれだけ、お客さまの共感を得られたか。

自社に勝つ、自分に勝つことこそが、ネット時代の勝者の条件です。

お客さまを(他社から)奪うことはできませんし、ましてやお客さまを「支配」「囲い込み」することなどできるはずもありません。

選択権、決定権をもつのは、お客さまの側だからです。

お客さまが選択権をもつということを突き詰めれば、どんなビジネスでも、お客さまの最も身近にいる、お客さま本位という以外の道はないということです。

お客さま本位の立場からすると、大手の顧客囲い込み戦略(両手数料ねらいの、物件情報と顧客の囲い込み)にはムリがあり、情報公開の時代に、ネットの時代に通用するとは思えません。

これと関連しますが、民主党が「両手数料の原則禁止」の政策を打ち出して話題を呼んでいます。大手業者(?)を中心とした反発からか、方向性がやや見えにくくなっていますが、業界や業者の立場でなく、消費者の立場、お客さまの立場から見れば、「両手禁止」方向性はまちがっていません。いずれその方向に進むでしょう。

不動産仲介業は、「成果報酬」「成功報酬」の世界です。つまり成約になってはじめて手数料が入る世界、「決まってナンボ」の世界です。

このことが仲介業界に、多くの問題を生じさせる最大の原因だと指摘さています。成功報酬制こそが、お客さまの囲い込み、追い込み、成約至上主義を生む原因だとする考え方です。

一方、物件調査・建物検査・価格査定・現場立会同行・契約確認立会などの個別メニュー・料金体系による、お客さまサポートビジネスも首都圏や関西圏では始まっています。

メニュー別に料金を定め、提供したサービス毎に報酬を受け取るビジネスであり、「成約」に関係なく報酬を受け取るビジネスモデルです。考えてみれば、このビジネスは、世間一般の不動産業界に対する不信感、不安感を「逆手にとった」ビジネス展開であり、お客さまのニーズに応じたビジネスといえます。

今のところ、商圏人口1,000万人、400万世帯ぐらいで成り立つと考えますが、今後、中古住宅に対するニーズが高まれば、建物性能検査(ホームインスペクター)制度は地方圏、地方都市にも普及する可能性が高くなるでしょう。

大部分の仲介業者は、商圏人口30万人、世帯数10万世帯程度の地域でビジネスを展開しているのが現状です。

この規模の商圏、これより小さい商圏で成り立つ仲介業のビジネスモデル、しかも、お客さまの立場に立ち、真にお客さま本位で成り立つ仲介業を考えた場合、ネット不動産以外のビジネスモデルは考えにくいと断言できます。

物件情報のデータベース化・お客さま情報(希望条件等)のデータベース化と両データベースのマッチングシステムによるメール営業を基本としたネット店舗は、時代が求めている不動産仲介業のあり方ではないでしょうか。

ネット店舗・ネットシステムが、仲介業の効率化を可能にしたのであり、お客さま本位の経営基盤を作ったといえます・

ネット店舗としてのホームページは細部にわたる心配りが求められます。物件情報の品質や量だけでなく、お客さまが求めている総てのもの、悩んでいる総てのものに対応できるだけの中味のある情報提供が求められているのです。

リアル店舗・実店舗の品質も求められています。スタッフの応接、動作、約束、言動がリアル店舗の品質を決めます。

お客さまは、個々の事情や生活体験、個性を持った、生身の人間です。スタッフは、実に細かい、そのつどの適切な工夫を含む応対が求められているのです。

ネット不動産に求められているものは、決して、ホームページの充実やSEO(検索エンジン対策)、「メール営業力」だけではありません。リアル店舗・実店舗での「実力」、実績が求められているのです。

不動産仲介業は「生産性」が低い業界と見られています。大物狙いの「マグロ漁」あるいはお客さまを追いかけまわす「狩猟型」ではなく、お客さまに充分な情報と時間を提供し、お客さまとの信頼関係を育て、その結果として、物件取得=成約に至るというパターン、つまり「農耕型」のビジネスこそが、お客さまに喜ばれ、ファンを多くし、結果として生産性=成約率も向上することになるのではないでしょうか。



ページ上部へ戻る


フロンティアへ

 テーマ 一覧

・記事を追加した時にお知らせメールを希望する方はこちらへメールをお送りください。Takakanへメール
・ご意見・ご感想もお待ちしております。
・当ページの文章の引用・転載はご自由にどうぞ。

関連ページ